Riders-Diary

新フレーム(24inch"プチファット")のプロトタイプが完成しました

こんばんは、jinkenです。

私がこれから乗る新しいフレーム(プロトタイプ=試作・テスト用車両)を発表させていただきます。

ここ数年「裏山」で乗って遊んで自分なりのスタイルとこだわりを突き詰めていく中で見えてきた、限りなく私の理想を具現化したフレームが、サモさんをはじめTUBAGRAというチームの体制と岡安製作所さんのおかげで現実の姿を与えられました。

まずは関係者の皆さんに心から感謝!本当に嬉しいです。

そして、今後、このテストフレームを乗り込みながら細部を修正・ブラッシュアップし、近いうちに市販を目指します。

正式名称は未定ですが、開発中のコードネームとして”PF-MOZU”(プチファット)と呼んでいます。

 

 

■□新フレームのコンセプト概要□■

・極太24inchタイヤ(24×3.0inchまで)対応、トライアル的なエッセンスを加味した裏山系「プチファット」トレイルバイク。

・24inchホイールへのこだわりと、ドライブトレインやフォーク等にトライアル系のパーツを使うことを前提とした思い切ったフレーム設計で、現在主流のMTB界のトレンドとは異なる独自のライディングフィールと「操る楽しさ」の世界へ誘います。

・過去のMOZUシリーズやトライアル系フレームOpenerの開発で蓄積された絶妙なBB位置の設定とフレーム造形によって、フロントが上げやすくバニーホップが容易でかつ左右に振りやすい軽快な乗り味を維持したまま、荒れた細いトレイルもスムーズにトレースできる安定感を加味しました。

・多様な路面状況や自然のセクションと対話しながら比較的低速でのバイクコントロールを楽しむ「大人の」トレイルライドに最適な、全く新しいMTBフレームです。

 

JINKEN’s New Frame from Samo on Vimeo.

↑プロモーション動画的な…サモさんが昨日檜原村まで来て一気に撮影、編集してくれました。

 

24×3.0のタイヤを履かせて組み上げるとこのような感じになります。

※ジオメトリについて、数値は全てテストフレームの暫定的なもので変更の可能性があります。

 

テストフレームのサイズ(シートチューブ長)はC-T420mm。

数値よりも大きく見えるのはホイールが24inchであることとによる視覚的なバランスと、BBが5mmUPと高めであることによります。

 

フォークの肩下寸法410mmでヘッド角71°になるように設計されています。

トップチューブはC-C563mmと相対的に長めで、トライアル的なムーブでも窮屈さを感じないようにマニューバスペースを広く取っています。

チェーンステイ長は370mm(トラックエンドなのでここから前後数ミリずつの範囲内で固定します)、24inchホイールとはいえ一般的なトレイルバイクに比較するとかなり短いですが、おかげでフロントアップやバニーホップが容易です。

逆に、他のTUBAGRAのフレームに比べるとチェーンステイ長が長いのは、悪路の登りやコーナリング時のトラクションコントロールを向上させるためで、実際に山で乗ってみると、軽快さと安定感のバランスが高い次元でとれていると感じます。

 

幅70mmほどある24×3.0inchのタイヤ(テスト用に用いているのはHalo Contra)が使用できるようにチェーンステイヨークを広くとり、その代わりに仕様可能なクランクをトライアルクランク(フリーかコグをねじ込んで使用するタイプ)に限定しています(フロント16縲鰀22Tならガード付きで使えます)。

(この点については、こちらの私のブログが参考になると思います…「トライアル用クランクをトライアル以外にも!」これも私の数年来の考えでした)

 

私はフロント22T/リア15Tを使用しています。

 

 

ちなみに「プチファット」は便宜上使っている表現で、もちろん英仏語混合の造語です。

現在盛り上がりを見せているファットバイクに比べると「プチ」なファット具合かもしれませんが、3.0インチの太さはなかなかのものです。

しかも、24×3.0というサイズは元々DH等を念頭において作られているのでサイドが厚く耐パンク性も高く、1Barほどの低圧でトライアル的な飛び降りをしても安心感は抜群。

低い空気圧と太さのおかげでグリップやショック吸収性(と乗り心地!)が抜群によいだけでなく、24inchのコンパクトさの恩恵でフロントもリアも左右に振ったり飛ばしたりしやすいです。

最近流行の大径ホイールや一般的なファットバイクと違い、フッと抜重してやると素直に路面からはなれるため、(タイヤ自体の重量はすこし重くても)軽快に走れ(跳び回れ)ます。

 

フレームのほうも、バイクに身体を預けて走るのではなくて、身体で路面を感じ、バイクを積極的に「動かして」操る乗り方ができるようなジオメトリになっています。

 

 

普通のトレイルバイクやファットバイクと違ってBBが高く(+5mm)、肩下の比較的短いリジッドフォーク使用でヘッド角もやや立っているので、べたっとサドルに座って漕ぎ続けるとか面が奇麗でバンクのついたコーナーを倒して曲がって行くというよりは、狭く荒れた下りのシングルトラックの切り返しを低速でバイクを立てたままバランスを取りながらトレースしていくような、日本の山道でよく遭遇するようなシチュエーションでも、できるだけバイクに乗ったまま(ゆっくりと)進んで行けるように、そういうイメージで設計されています。

 

見た目は全然違いますが、今まで私が乗っていたOpener(trMOZU)を、より「裏山」仕様に、そしてトレイルバイク寄りに振ったフレームと考えていただければよいのかと思います。

フレームサイズは大きくなりましたが、ある程度のスキルがあれば結構トライアルできます。

 

ホイール径に対して相対的に高いトップチューブ位置や、リジッドフォーク使用で相対的に低いヘッド位置の関係で、見た目的にはオールドスクールなMTB(かつてのATB=オールテラインバイク)のような印象もあります。

 

エンドはホリゾンタルのトラックエンド(10mmスロット)ですが、たとえばこんな後付けディレイラーハンガーを使用すればリアディレイラーも使えなくはないですね(ただしチェーンステイが短いので変速数を制限する必要はありそうです)。

 

さて、ちょっと長くなりますが、フレームの特徴的な部分をご紹介します。

 

まずは特徴的な肉抜きが施された大きなエンドプレート(岡安さんデザイン!)。

ディスクブレーキの台座はエンド側に一体化しています。

入念に計算されたキャリパー取り付け角度で、ホイールの抜き挿しをする際にもローターが当たることはありません。

 

また、ブレーキをロックさせての飛び降りなど大きな衝撃にも堪えられるように考えられています。

(そう、このフレームは単なるトレイル散策用MTBなのではなくて、トライアル的・トリック的な動きにも対応できる十分な強さとしなやかさの両立を念頭に置いています…ストリートMTBブランドとしてのTUBAGRAからリリースされる以上、それは必須の条件です)

 

トラックエンドなのにディスクブレーキ固定穴が長穴ではなく単穴になっていることにも理由があります。

トライアル的なブレーキのロックや高所からのリア着地での飛び降りへの対応を考慮すると、長穴でキャリパーを固定したのでは強度的に問題があるのです(trMOZU開発時にテスト済)。

長穴だと、ボルトの頭がフレームに接する面が減ってしまい固定力が低下してしまいますが、かといって無理に強く締め上げるとフレーム側が変形してしまうリスクもあります。

後輪はあくまでスピードコントロールのためと割り切って使う一般的なMTBとは違って、ブレーキをロックさせて体重をかける動きを多用するトライアル的な乗り方にも対応させるため、あえてブレーキ台座は単穴にしています。

それでも、ホイール固定位置の基準点(370mm)を大きく外れて前後させない限り、パッド位置も使用可能な範囲内に問題なく収まります。

 

 

MOZUらしい、板とパイプを組み合わせた特徴的なBBまわり。

BBは68mmJISのごく一般的な規格。

現在、圧入式のBBやファットバイク向けの幅広BBなど色々な規格が出てきていますが、あえて従来通りのBB規格を採用しました。

トライアル用として各種販売されているクランク周りが現在もこの68mmのねじ込み式が主流であることや、比較的新しい規格のBBを採用すると使用するクランクや歯数が限られてしまうことを考えると、どうせ限られてしまうならコンパクトで小さい歯数に特化して合理的な作りになっているトライアルクランクを使用すると限定させてしまって、そのかわり太いタイヤと短いチェーンステイ長を両立させよう、という考えによるものです。

 

トライアルクランクで23T以下の歯に限定した結果、チェーンステイヨークの角度を大きくとってタイヤクリアランスを稼ぐことができています。

そのため、一般的な4アーム・5アームのMTBクランクはフレームと歯が干渉するため使用できません。

フロントが最大23Tなので、リアは最小12T程度までなので、実質的にギア比は最大1.91程度ということになります。

実際には18T縲鰀22T/12縲鰀15Tという組み合わせを使うことになると思います(私は22T/15T)。

 

(「難しいことはわからない!」という方には、お問い合わせいただければ市販されているトライアルクランクや歯・ガード・BBのご案内もできますし、JBPのショップを通じて入手していただくことも可能です、組み上げのお手伝いも承ります)

 

 

これまでのMOZUシリーズと同様、シートステイはシートチューブとトップチューブにまたがるように溶接されており、激しい乗り方にも十分な強度を確保しています。

 

シートチューブ外径は31.8mm(一般的なサイズなのでシートクランプの入手も容易です)。

シートチューブの太さや厚みはフレームのねじれ感を左右する重要なファクターなので、あくまで乗り味や剛性を重視してパイプを選択しています。

そのため、対応シートポスト径はややマイナーな太さになりますが、広く市販されているシムを使用すればごく一般的な径である27.2mmのシートポストを使えるのでむしろ便利です。

個人的には、ドロッパーシートポストを使ってみたいところです。

今まではホワイトにペイントしたフレームに乗ることが多かったのですが、

今回はまた新しいフレームのプロトタイプということで、マットクリア塗装(パウダーコティング=粉体塗装)です。

国産のカイセイ製クロモリチューブ、岡安さんによる熟練のTIG溶接。

美しいです。

 

ちなみに、テスト車両のシートポストがだいぶ出ているのは私がかなり手足の長い体型(身長は175cm)だから、ということが原因(笑)です。

一般的な体型の皆さんは、画像を適当に脳内補正してご覧下さい(涙)。

 

 

思い起こせば2009年の夏、TUBAGRAに加入してOpener(当初の名前はtrMOZU)の開発とテストを担当させてもらうようになってから、僕の人生はすっかり変わりました。

大げさじゃなく。

そのOpenerを現在のライフワークの舞台である(檜原村界隈の)裏山に合わせて進化させたこの新たなフレームで、これからさらに深く面白いところへ進んで行きたいと思います。

 

まずは引き続き、テストライドしながら気付いた点や細かな乗り味、新たな発見等をまた更新していきます。

製品版の市販開始を楽しみにしていてください!

私も楽しみです!

 

jinkenでした。

 

 

 

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2 Responses to “新フレーム(24inch"プチファット")のプロトタイプが完成しました”

おそらくBBもリアハブも幅が合わないと思いますし、太いタイヤが入らないと思います。あと、まだこのフレームは販売が決まっていない状態なので…(汗) すみませんm(_ _)m

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