MTB引退から復活し鍛冶屋としても活躍するシャラ君インタビュー

2020年ごろ、akaMOZUに乗り、ストリートやダートジャンプでアグレッシブなライディングを見せてくれていたシャラ君。その姿は当時のシーンでも強い存在感を放っていました。

そんな彼が突然、MTBを引退してしまいます。理由はくも膜下出血。
MTBシーンから遠ざかった彼の動向を私は知る由もなかったのですが、2024年の中旬、MTBとは全然違うところから彼の名前を見かけることになるのでした。そう、ナイフの世界で。
ナイフの世界で活躍するシャラ君を、さらに長野に移住していたことを知り、それは素敵な生き方だな、と思っていたところ、何とSNSで彼のMTB復活を知るのでした。
しかも、まだTUBAGRAのフレームに乗り続けれくれている!
私は嬉しくなって彼に連絡し、再び彼のライディングを撮らせてもらったり、くも膜下出血なってMTBを引退から復活に至るまでや、どういう経緯でナイフ製作に行き着いたのか、色々と話を聞かせてもらいました。
以下、シャラ君にインタビュー形式で答えてもらっています。ぜひチェックしてください。

サモ:くも膜下出血になった状況、その結果、MTB引退を決意した理由を教えてください
シャラ:新しいPVの撮影に出かけている時、ちょっとしたトレイルを見つけて入ったところ、ハンドルを木に引っ掛けて反対の土手に倒れこんだようです。
脳震盪を起こしていたので念のため病院で検査してもらった結果、くも膜下出血を起こしていました。
くも膜下出血といっても手術が必要な重大なものではなく、出血の跡が少しだけあるといった感じでした。しかし次に脳震盪を起こすと重大な命に係わる出血につながる確率が高いと言われ、両親などの反対もありMTB活動を断念しました。

サモ:MTB引退後に長野に移住した経緯、ナイフ製作に携わることになった経緯を教えてください
シャラ:MTB引退当時、二度目の高校生活を送っていました。最初に入った高校が肌に合わず中退し、しばらく経ったあと、工芸高校というモノづくりを学ぶ高校に入りなおしたのです。
そこで出会ったナイフ好きの友人に誘われるままにナイフ製作をはじめ、授業でやった鍛造にも興味を持ち、自宅で道具をそろえました。
MTBを断念したのは就職活動が始まる少し前くらいで、事故が無ければ自転車関係の職に就こうとしていました。しかしMTBに乗れなくなった今、そのまま自転車関係に進むのも何か違うなと思い、モノづくりの方に行こうと考えました。
就職も考えましたが、会社に入った自分の姿が全く想像できず、また自営業の両親にその話をしたところ「就職するつもりだったの!?」と逆に驚かれるということが決定打となり、最初から自営で頑張ってみようと思い立ちました。

そこから製作に力を入れ、作品のネット販売なども始めましたが、住んでいたのは東京練馬区の郊外です。金属加工の音を毎日響かせるのはあまりにも現実的ではなかったので、引っ越し先を探し長野県青木村に今の工場を見つけ、ナイフ製作に留まらず本格的な鍛冶屋としての生活がスタートしました。
サモ:鍛冶屋になっての苦労話などありましたら教えてください
シャラ:鍛冶屋になって一番苦労したのは機材ですね。これは今も苦労しています。
私がやっている製作では主に西洋鍛造のスタイルを使っています。このため日本の鍛冶屋さんが使う道具とは違うものが必要で、これが国内ではほぼ手に入らないか、非常に高額になります。
仕方がないので自分で道具、機械などから作っていて本当に大変でした。24Tの油圧プレスやベルトサンダー、コークス炉などを自作しています。
JKG(ジャパン・ナイフ・ギルド)ナイフコンテストで賞をいただいたナイフ「Seirn(セイレーン)」は自分のやりたいこと、やってみたいことを詰め込んで楽しんで作っていました。

2025 JKG(ジャパン・ナイフ・ギルド)ナイフコンテストで受賞したシャラ君制作のナイフ「Seirn」。
コアレスダマスカスによるインテグラル構造で鍛造し、刃とヒルトを一体成形することで、高い強度と流れるような造形を実現したナイフです。

波を思わせるダマスカス模様と、深海の光のようなスタビライズドウッドを組み合わせ、海の妖婦“セイレーン”と命名。
ハンドル、バット、ボルトにもダマスカス鋼を用い、ヒルトとバットにはシルバーワイヤーのインレイを施して精密な装飾を加え、全体の統一感を高めています。
専用シースには耐久性と質感に優れたオーストリッチ革を用い、世界観をさらに引き立てています。
サモ:シャラ君が手がける作品に流れるコンセプト、作風などを教えてください
シャラ:鍛造で作った風合いを生かすことと、実用的な形状であることを意識しています。
装飾を施した凝ったナイフも作りますし大好きですが、道具として使い勝手がいいことをメインに設計しています。
今後はストリート文化を取り入れたデザインも作っていけたらと思っています。


シャラ君が製作したナイフと斧。共に「Pagos craft」のWebサイトで購入できます。
サモ:MTB復活に至るキッカケと、復活後に気をつけている点も教えてください
シャラ:MTBが嫌で引退した訳ではなかったので、乗りたい欲求がだんだん抑えられなくなってしまい復活に至りました。
再び脳震盪を起こすのがまずいと言われているので、コントロール不能な転び方を避けるようにしています。なのでトレイルなどはあまり行かず、バニーホップメインのストリートやパークが多いですね。
少しづつスタイルも変化していて、大きなギャップで大きな技をやるというスタイルから、マニュアルなどが主体のTom Kilcoyneのようなスタイルを目指しています。
サモ:現在のシャラ君の身の回りのこと、長野のMTBシーンについて教えてください
シャラ:長野県への移住と同時に結婚しました。今の生活は完全に妻の支えがあって成り立っています。

購入した物件は元きのこ工場で住居がなかったので、今は工場の中に住んでいます。横にあった倉庫を住宅にセルフリノベーション中ですがなかなか進みませんね。
長野と言っても広いので、主に活動している東信地域の話になります。
まず当たり前ですがスケートパークなどの施設が東京より少なかったり舗装されている路面のストリートスポットが無く探すのに苦労します。ストリートMTBのライダー数はあまり多くないと思いますが、勢いのある若手がいます。
トライアル競技が盛んなようでストリートトライアルのライダーはそこそこいる印象ですね。年齢層が幅広く嗜好もバラバラですが結構集まって乗ったりしています。
そんな訳で、MTB復活したシャラ君のライディングを都内の某公園で撮影させてもらいました。

相変わらず平地バニーホップからでもテーブルトップ(インバート)はガッツリ入りますね。

階段横のスロープから飛び出してのバニーホップバースピン。

ツリーライドをするシャラ君。だいぶ高いところまで到達し、その分フェイキーは高速になって戻りが難しくなるのですが、それでも綺麗に戻っています。
上で紹介した階段スロープ飛び出しバニーホップバースピンとツリーライドを動画でご覧ください。
シャラ君が現在乗っているakaMOZUバイク。

光の加減で分かりづらいですが、グリーンに塗装されています。タイヤはGOODYEAR WINGFOOT PARK。

フロントフォークはTB-FORK34 TAPERED 100mmが入っています。

長野でシャラ君と一緒に乗っているコウキ君(17歳)。

若いですが既にバニーホップバースピンは標準装備。
コウキ君が乗るバイクはSHAKA26に24インチホイールをインストールしてあります。


ハンドルバーはMURAMASA BAR 3インチライズ。フォークはENMA FORK、リムもTB-RIM24とTUBAGRAずくしでありがとうございます!

都内でストリートトライアルを楽しむ宮下君(17歳)。みんな若い!

この程度の高さなら余裕で決まるヘリコ降り。

宮下君が乗るEXTENTIONの24ストリートトライアルバイク。

シャラ君、コウキ君、宮下君、撮影させてくれてありがとうございました!皆さんの今後の活躍がとても楽しみです!
シャラ君が東京にいた頃に立ち上げたブランド「Pagos craft」のWebサイト。
彼の作品を閲覧、購入することができます。上で紹介したSeirn(セイレーン)も購入できますので、ぜひチェックしてみてください。










































