実は過去にも同じような内容を投稿しているのですが、ちょっと加筆修正をしまして、TUBAGRA初の27.5インチホイール専用アクションMTBフレームのcroMOZU275の開発〜発売に至る秘話を紹介したいと思います。
croMOZU275を作ることになったのは、以下に紹介する3つの要因がありました。
1)育児メインの生活になって、それに合うMTBが必要になった
そもそもcroMOZU275を作る最初のキッカケは、息子が産まれたことで、生活が仕事以外は育児が大きな割合を占めるようになり(奥さんの仕事の都合で土日も関係無く)、スケートパークやダートジャンプトレイルなどに滅多に行けなくなったことがありました。そして、何とか乗れるのは近所の多摩川河原、さらに早朝の数時間のみで、その条件・環境に合うMTBがどうしても必要になったのです。
最初はTUBAGRAの里山アクションMTBフレームYAMADORIのテストフレームに26インチホイールを入れて乗っていて、それでバニーホップやバニーホップ180も普通にできるし、それはそれで良かったのですが、多摩川河原のダートコース、草地、ジープロードを飛び回りながら高速移動するに当たり、時に激しい凹凸のある路面に26インチホイールではストレスを感じることが増えて行きました。
走破性が高い、26インチホイールよりも大径なホイールに興味を抱くのは自然な成り行きでした。
2)MTBの基本ホイールサイズが26インチから27.5インチに移行した
ここ数年のMTBメーカーのカタログを見ると、ほとんどのモデルが27.5インチホイール、もしくは29インチホイールを履いていて、ほんの5年前までメインサイズだった26インチホイールモデルはダートジャンプ・スロープスタイル用だけとなり、それすら日本への入荷は数少なかったりと(まったく入ってこないことも)、国内市場で26インチホイールMTBは希少(で高価)な存在となってしまいました。
その結果、MTBを始めた人が乗るエントリーモデルもほぼ27.5インチか29インチとなり、TUBAGRAに来るお問い合わせもそれらのホイールサイズのMTBに乗っている方からが多くなって、「TUBAGRAはそれらの大径ホイールサイズとは関係無いです」とは言っていられない状況に。
TUBAGRAとしては、26インチや24インチホイールにこだわるあまり、ハードコアなMTBライダーしか知り得ない、手を出せないマニアックなバイク(フレーム)ばかりを作り続け、さらにシーンをマニアックにさせてしまう事は本意ではありません。
もちろん、SHAKAやMOZUシリーズ、OPENERはアクション系MTBフレームのハードコアな部分を担うので、しっかり主役を貼り続けてもらいますが(これは今後もブレることはないでしょう)、MTBでのアクションライディングの間口を拡げるという意味で、現在の主流ホイールサイズとなる27.5インチを取り入れ、アクションライディングの可能性を見極める必要があると判断しました。
3)台湾で作るMOZU「akaMOZU」のリリースが大幅(2年も)に遅れた
TUBAGRAの製品の中で目玉となるハズだった台湾生産のakaMOZUの開発〜販売が、台湾の工場側の都合によっておよそ2年近く遅れてしまい、それに代わる新たな目玉を作る必要があった、という裏事情もあったり…(汗)
そんな訳で…
「27.5インチホイールのMTBでもバニーホップ主体のアクションライディングができるのか?」が大きなテーマとなり、岡安製作所の岡安さんに相談し、現在のMOZUフレームの元祖に当たるcroMOZU(26インチバージョンは現在は製造中止)の図面をベースとして27.5インチホイールに対応させたものがcroMOZU275となります。
26インチホイールバージョンのcroMOZUバイク
およそ10年前の写真になります。当時、MTBと言えば26インチホイールが主流でした。
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TUBAGRA初の27.5インチホイールMTBであるcroMOZU275 1st TEST
台湾のakaMOZUは2年かかったのに、国内生産のcroMOZU275は構想2ヶ月でカタチになりました。早い!!
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croMOZU275 2nd TEST
ヘッドアングルを少々寝かせるなどしてジオメトリはほぼ固まり、販売開始をしたところ即完売。ありがとうございました!
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croMOZU275 3rd TEST
エンドをリプレイサブルエンド化して142mm/12mmにも対応。リアホイールをガン詰めにするのも調節が容易に。
このことでリアセンターは27.5インチホイールMTBフレームにしては激短の380mm(太さ2.25のタイヤを履くには5mm程度後ろに引いて使用)。上の写真を見ると分かる通り、リアタイヤとシートチューブの隙間は1mm程度。
一見、これだけクリアランスが無いと雨降りの日に走ると泥が詰まってしまうのでは?と思いますが、今のところそのような事態にはなっていません。あれだけ泥まみれの河原のダートコースを走っているのに。
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croMOZU275 4th
さらにジオメトリを煮詰め、フロントセンターやBBハイトを数ミリ変更し、さらにバニーホップや回転系トリックがやりやすいジオメトリを採用。
その結果、croMOZU275は27.5インチホイールMTBとは思えない感覚で、フロントアップ〜バニーホップができるうよになりました。
そして、croMOZU275を購入されたお客様からは「過去に乗っていた26インチホイールのMTBよりも軽くバニーホップができて驚きです!」というお声も多数いただけるまでに!
26インチホイールよりも明らかに悪路走破能力が高く、それでいてバニーホップのしやすさは下手な26インチMTBよりも遥かに上!という欲張りな性能を盛り込んだフレームがcroMOZU275なのです。
とまぁ、このような経緯がありますので、croMOZU275もどうかよろしくお願いします。
今ならcroMOZU275のマットクリアーが1本即納化ですので、お気軽にご連絡ください。