こんばんは。STEM*です。
昨日はフレーム製作をするということで、岡安製作所に行ってきました。
岡安さんのところには過去にお邪魔したことはあったのですが、岡安さんが実際にフレーム製作をされてるところをみたことはなかったですし、実際にお手伝いさせていただく機会がなかったので、始まる前からとても楽しみでした。(とは言いながら1時間の大遅刻、すみませんでした、、、汗)
サモさんにフレーム製作の大まかな流れを教えてもらった後は、岡安さんに技術的なご指導をいただきながら実際に加工作業のお手伝いをさせてもらったんですが、何せフレーム製作を見るのも人生初だったこともあり、すべてが新鮮そのものでした。
これは、ボール盤でヘッドチューブとBBのシェル部分に溶接用の穴をあけているところです。ボール盤を使うのも実はこの日が初めて。緊張しながらも、慣れてくるとボール盤があると何かと作業は便利で、身近にボール盤が欲しいなあと思ったり。
そして、こちらはエンドのプレートの表面をグラインダーで均一に整えているところです。溶接の着きを良くする効果があるのだとか。
自分が作業をお手伝いさせてもらったのはこの2つの行程のみ。
それも当然そのはずで、見学させてもらっていて実感したしたのですが、フレーム製作はとても高度な技術力を要する仕事で、到底素人にはできないお仕事。
時間の経過とともにだんだん出来上がっていくMOZUフレームは、ただパイプが組み合わさって溶接されて出来上がるプロダクトという単純なものではなく、ひとつひとつの作業工程に作り手の想い、長年の経験、熟練の技、そういう目には見えないものが込められて製作されているということがひしひしと伝わってきます。
これはジグ上で仮溶接をする岡安さんです。
仮溶接が終わり、実際に形となったフレームは、本溶接により完成に近づきます。
こちらは本溶接をする岡安さんです。
溶接する際にはとても直視できないほど強い光が出るわけですが、岡安さんが一カ所一カ所溶接していく姿は、フレームに命を吹き込んでいるように見えると言っても過言ではありません。
これはMOZUフレームの人気の一つである溶接の際にできるこの虹がかった模様です。これも岡安さんの長年の経験により、今ではこの色の出具合をコントロールできるのだとか。
このようにしてフレームが製作されていくわけですが、実際にはもっと数多くの作業行程があり、その一つ一つにかなりの労力がかけられて製作されていきます。
最後の仕上げとして、サモさんがヘッドのフェイシングを施します。
自分はなぜか鮮明に覚えているのですが、昨年末の岡安製作所の忘年会のときに岡安さんが「MOZUフレームにはその製作に関わった人の魂が入っている。一生懸命つくったフレームをライダーたちが喜んで乗ってくれていることが、僕は涙が出そうなくらい嬉しいんです。」とおっしゃっていたのを思い出しました。
今回これらの行程を見学させてもらって、改めてその言葉の意味を理解できたような気がしました。
今どき、自転車に10万円も出せば申し分のない性能の完成車が買えるような時代ですから、MOZUフレームはやはり高価なフレームです。しかし、MOZUフレームの製作過程を一度でも見てしまうと、値段以上の価値に改めて気づかされます。
また、自分たちが乗るフレームがオーダーメイドで、製作者とコミュミケーションがとれ、かつ作り手側としても作業に参加することで自分のバイクへの愛着が今まで以上に増しました。
効率的な大量生産のモノづくりではなく、自分が使うものは自分でつくり、長く大切に使うという本来の価値観の大切さを気づかせてくれる、消費者参加型のオーターメイド工房的なのが増えれば面白くなるのかなと思ってみたり。とにかく昨日は自分にとってとても有意義な一日でした。
岡安さん、サモさん、大変お世話になりました。ありがとうございました。
で、まだ続きがありまして。
実はフレームが完成してからすぐ渋谷に移動し、バイクに組み上げてしまうという、またしてもサモさんのバイタリティの高さを垣間見ることに。
そして、完成した例のバイクですが、見た目も乗り味も良く出来すぎていて、なんというか今までのフレームと比較すると嫉妬に似た感情が芽生えるほどんの出来だったのです。
乗り味は、一言でいうと、最高にバランスが良い!という感じ。BMXとMTBの良いところだけをうまく調和できています。
今後、皆さんもそのバイクを実際に見かけるようになるでしょうし、試乗することを強くオススメします。でも一度乗ると、絶対物欲が押さえられなくなりますよ(ステマとかじゃなくてマジで。)
僕もサモさんも、帰りは余韻に浸りながら、というかニヤニヤしながらこのバイクがもたらす今後の可能性について話が尽きない状態でした。
今後、要チェックですよ!
ではまた来週。